カテゴリ:読書( 28 )
時さえ忘れて
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映画と同じく世の中には面白い本がたくさんあって、いい作品に出会うと、その作者なり翻訳者なり、またはその分野の他の名作なりを発見して、芋づる式に読みたい本が次々に湧いてくる。そうすると本棚には未読の本が山積していく一方なので、なんとかペースを早めようと、いつの頃からか三冊を同時に読んでいくことにしています。純文学作品(基準は自分で勝手に決めてますけども)を一冊、娯楽・大衆小説(ミステリやホラーが多くなりますね)を一冊、エッセイ・評論や自伝・伝記やノンフィクション作品を一冊という感じで。例えば、今は村上春樹『羊をめぐる冒険』、スティーブン・キングの昔の短編集、菊地成孔『ユングのサウンドトラック』の三冊。『羊をめぐる冒険』と『ユングのサウンドトラック』は何度目かの再読。ということは結局、積読本を減らすことにはなっていないというわけです。これも映画と同じですね。観たいやつはたくさんあるのに、今日もまた『ロンドン・キルズ・ミー』観てしまったりして。
映画観たり本読んだりするため用に、あと5時間ぐらいプラスして一日29時間(キリ悪い)ってことになったらどんなに楽しいか。そうすれば、この愛読書『ユングのサウンドトラック』も毎日だって読むことができるしね。

この本はジャズマン・菊地成孔さん初の映画本で、(一応)映画と映画音楽という見地からさまざまな映画(といってもやっぱりゴダールの比重が大です)について書かれたエッセイ集。映画少年でもあった彼の映画愛のなせる業なのか、観たことのない映画について書かれていてもとても面白く読ませるし、その映画を観たくさせる語り口、加えてそこから漂う読んでる自分まで知能指数が上がったんじゃないかと錯覚してしまうほどの博学かつ聡明っぷりはさすがの一言です。それに、比較的カジュアルにまとめられた感のある『ユングのサウンドトラック』は文筆家としても素晴らしい作品がたくさんある彼の著書の中では格段にわかり易い。これはとても重要ですよね。といっても、あまりの造詣の深さと見立ての飛躍に置いていかれることもしばしばですが、だからこそ何度も読んで楽しめる一冊であるとも言えます。
ゴダール、トリュフォー、フェリーニに始まり、イーストウッド、リンチ、アレン、タランティーノ、北野武、松本人志(この他にも多数)という作家性の高い監督から、『ハウルの動く城』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『セックス・アンド・ザ・シティ』(この他にも多数)というあらゆる人に馴染み深い作品まで、本当にいろんな映画について書かれているので、すべての映画ファン必読です。

もちろん、読書ファン(そんな言葉あるのかな)にもおすすめ。
まえがきからいきなり『大日本人』と『気狂いピエロ』を並べ、その共通点を看破し、我が国のタブーに触れながら映画監督としての松本人志を論じるという、非常にエキサイティングな読書体験が待ってますよ。



『時さえ忘れて』 / 菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール
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by clyde_8 | 2010-12-15 12:24 | 読書
Bookmark
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ショウコちゃんからのお土産。

そのへんで配っていた(どっかのお店に置いていた?)というしおりです。

しおりって、わりとよくもらうんだけれども、いつもとっても嬉しい。

本が好きな人がくれることが多い気がしますね。



いま読んでるのはテリー・タルノフの『アジアに堕ちた男』。



『Bookmark』 / Paul Westerberg
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by clyde_8 | 2007-08-13 13:13 | 読書
Story Of An Artist
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久しぶりに友人のグラフィックデザイナー、Sと話した。

今週のフットサル、FC Panasony復活の第二弾に行ってもいいすか?という電話。

もちろんもちろん、来い来いつって、近況報告。

もともとは後輩(というか教え子???)だったSだけれど、今は同じ土俵に立つグラフィックデザイナーとして気になる存在。

最近はこれこれこういうのをやったんすよ〜、と教えてくれた装丁仕事の中に自分が買ったばかりの本の名前が。

おぉ、なんか負けた気分(あくまでも爽やかに、「負けたーッ」って、そんな気分)。

実際のところは、とても誇らしくて嬉しい気分。



Sが装丁した本はダニエル・ジョンストンの本。

『HI, HOW ARE YOU? 無垢なるモンスター:ダニエル・ジョンストン物語』ってやつです。

まだ読んでないけれど、きっといい本だからみんなで買いましょう。
CD付きのを買いましょう。
奥付もちゃんと見てデザイナーの名前も確認しましょう。(←確認してなかった奴が何を偉そうに)



『Story Of An Artist』 / Daniel Johnston
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by clyde_8 | 2007-07-04 19:32 | 読書
座 読書
本が大好きな友人が、本を読めなく(読まなくかな?)なって久しいです。



原宿にあるカフェ“ストア”では、僕がじっくりセレクトした本が読めます。

なんとなくふざけた本を紹介することが多いけれど、けっこう本気で選ばせてもらっていて、意外とシブい(←これ関西弁ではカッコイイの意)本に出会える素敵な本棚になりつつあります。
今後もどんどん増えていく予定です(ちなみにほとんど私物。盗んじゃったりした人は曾孫の代までどつき回す)。



例えばこんなのシブいでしょう。

アントニイ・バージェス選集第2巻『時計じかけのオレンジ』。
この『時計じかけのオレンジ』では文庫版でカットされた(そしてなぜか、日本語訳は存在しないと思い込まれてたりもする)最終章がばっちり読めるんです。
親愛なるドルーギーたちなら、この意味わかるだろう?
ホラーショーだよな?
ぜひともエッギウェグののったやつかなんかをウンチングしながらじっくり楽しんでくれよ。
ライティ・ライト?

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お次はミヒャエル・エンデ『はてしない物語』なめのグレン・フリードマン『FUCK YOU HEROES』。

最近、sippoのwakoちゃんと話してた時にも盛り上がった『ネバー・エンディング・ストーリー』。
いまだに、曇り空のぶ厚く幾重にも重なる雲を見ると、その隙間からファルコンが飛び出してくるんじゃないかとわくわくしちゃう人はきっと多いはず。

そのすぐ側には、Z-BOYZやハードコアバンド、ヒップホップアーティストたちを死ぬほどカッコよく切り取ったグレン・フリードマンの写真集。
なんという混在ぶり!
カフェ“ストア”では『FUCK YOU HEROES』が外国人に大人気だそうです。

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そしてお店の入り口にある看板。

“本を読む人”のシルエット、これモデル実は僕です(本人を知ってる人が見たらすぐわかるらしい)。

この看板、賛否両論です。

デザインについては完璧に“賛”。(だって僕たちが作ってるんだもの)
シルエットのモデルについては概ね“否”。(そう、僕だからです。。。)

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いつかまた、友人が楽しく本を開く日が来ることを願っています。

その時は東京に来て、ここでも読んでくれたらいいなと思う。



みなさんもぜひ、足を運んでたらふく食って本を開いて感想聞かせてくださいませ。



『座 読書』 / 大滝詠一
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by clyde_8 | 2007-05-25 18:41 | 読書
Bad Moon Rising
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いろいろとプロモーションデザインをやらせてもらっているジュエリーショップ“ecLig”のサイトでこっそり小説の連載が始まっています。

書いてるのは志羽竜一という小説家さん。



りょういちくん(りょういちくんと呼ばせてもらってるので、ここではりょういちくんで)がecLigのある原宿二丁目商店街をモチーフに『渋谷区原宿2.2丁目商店街』という長編(たぶん長編)を月イチで連載です。

この連載の“装幀”を担当させてもらいました。

渾身のデザインです。(←最近こんなことばっかり言ってるなぁ)

“ecLig”のサイトの左上、“> front page”“> news”と縦にコンテンツが並んでるでしょう。その一番下“> 2.2”ってのをクリックしてちょうだい。
そしたら始まります。
※補足説明 モニタによっては各ページ一番下にあるノンブルや“front page of 2.2”とか“previous”とか“next”とかが見えにくいと思いますが、しっかりあります。視力低下とか、また故障かよとかじゃなくて、デザインチームの傲慢が原因デス。。。だからちゃんとページ捲ってくださいませ。

この小説は毎月、満月の夜に更新されます。



ところで、作者のりょういちくんと僕は同じ“竜”って名前。
歳も近い。
お互いまずは企業に所属した経験があり、今はその頃よりも羽がばさっと広がっている状態。
そんなわけで(っていうのは理由になっていないかも。。。)、きっと感覚やら感度やらはそう違わない。

だからこそ、なんとなくのデザインはできないなと、まあなんとなくっていうのは語弊があるけれども、なんて言うんでしょう?(なんとなくじゃなくていつもかなり本気でやってるぞ、オレは)

うーん。。。あのね、なんかこう、デザインをりょういちくん本人や僕ら二人を知る人たちが見た時に、“いいね!世代も近いしシンパシーも感じてるからわかってるねー。かっこいいねー”っていうふうにはしたくなかったんです。
もっとなんだろうな、感覚が近いかもってところに甘えるんじゃなくて、“決闘” みたいな感じでね、勝ち負けとかじゃないんだけれど、“オレはオマエに対してこーゆうのが見せたかったんだよ!想像もつかなかっただろう?でもこれはかなりカッコいいだろう?”ってやりたかった。

まさに“渾身の”ってことです。



第一回目がサイトに載ったあと、メールでのりょういちくん本人やスタッフの反応に嬉しくなって、んで、二日後にはりょういちくん本人にライブイベントで会いました。



笑顔で近付くりょういちくんと僕、がっちり握手と抱擁。





“こんな風に書き連ねているたわ言は、本当にただの性急なる僕の無駄口にすぎない。よくCDを買うとついてくる指人形やなんかのオマケと一緒である。”ってやつですけれどもね。



そういう、“決闘” の話でした。



『Bad Moon Rising』 / Creedence Clearwater Revival
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by clyde_8 | 2007-04-19 12:25 | 読書
Fish In The Jailhouse
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ストア・ブックス、前回は『正しい保健体育』。

今回は高平隆久さんの『アメリカ監獄日記 無実の囚われ人の大冒険』です。



アメリカ滞在中に無実の罪で拘置所に入れられた著者、その悲惨かつおかしな冒険を綴った読みやすいけれど、よくよく考えるととってもコワい一冊。



著者は自身の差別意識を自覚した上で、ゲイのふりをしなければいけない状況や様々な人種の犯罪者と寝食を共にしなければいけない状況でのエピソードをありのままに描き出す。

その語り口にぐいぐい引き込まれていくうちに、図らずも人を信頼し他社との関係を築くことの大切さに気付かされる。。。

と無理矢理格好をつけてみたけれど、まあそういうことを考えることもできなくはない、でもそれ以前にとにかく面白くてコワい冒険譚デス。



ホントコワい。。。



あんまりやんちゃしちゃいけませんねー。



『Fish In The Jailhouse』 / Tom Waits
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by clyde_8 | 2007-03-22 18:54 | 読書
歩くチブ
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ブックコーディネーターとして、いろいろと本を選ばせてもらっているおかげで、今ウチのオフィスには本が溢れかえっております。

来週の水曜日あたりから少しずつカフェ“ストア”に並びだす予定ですが、一足お先にご紹介。

前回は写真集『PLATES AND DISHES』でした。

今回は、お勉強の本です。

みうらじゅんの『正しい保健体育』。

これが今ウチのオフィスではやたらと盛り上がって、流行っています(といっても社長Tと僕の間だけだけども)。

この本、笑い声をあげずに読める人はいないと思います、たぶん。

“人間の男の二大テーゼは、「やりてーぜ」と「入れてーぜ」

あぁ、なんてバカ。



目下、社長と僕のお気に入りは、“女子が体育館に集められて観ている映画はだいたいゴダール”というやつ。



『歩くチブ』 / ザ・クロマニヨンズ
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by clyde_8 | 2007-03-17 04:35 | 読書
バイク・メン
昨日に続いて今日も本屋巡りしてきました。



買ってきた中から、なんか一冊紹介しようと思ったけれど、その前にまた『PLATES AND DISHES』について。

『PLATES AND DISHES』のサイトを見つけました。

“CUTIES AND CALORIES”というカテゴリで、何点かの写真が観れます。(“かわい子ちゃんとカロリー”って。。。)

観ればわかると思うけれど、“アメリカの食べ物ー!!!!!!それはイモ!!それは肉!!!それはバンズ!!!!”って感じでしょう?



あぁ、お腹へってきた。。。。

そろそろ注文した夕食も届く頃なので、今日買った本についてはまたいずれ。
というか、“ストア”に行けばいつでも読める!(ようになる予定)という宣伝。



『バイク・メン』 / THE COLTS
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by clyde_8 | 2007-03-01 18:57 | 読書
長いお別れともお別れ
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ブックコーディネーターの憂鬱。

内装やらメニューやらホームページやらを手がけさせてもらっているカフェ“ストア”では、本が読めるカフェにしようということで、本をねセレクトして購入して並べるっていうことをやらせてもらうことになって、今いろいろと私物込みでラインナップを作っているんです。

楽しい。



なのに、棚の高さが合わなくて、A5サイズ以上の本が少ししか置けない!

ショック。。。

というわけで四六判とかB6サイズ以下で試行錯誤中。



そんな中、おシゴト忘れて早く読みたい!ってなっちゃいそうな新刊発見。
レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』の新訳『ロング・グッドバイ』!!
翻訳は村上春樹さん!!!

『長いお別れ』ってタイトルが大好きなんだけれど、きっとこれからは『ロング・グッドバイ』のほうが好きになるんだろうなぁ。



『The Long Goodbye』 / Procol Harum
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by clyde_8 | 2007-02-21 15:41 | 読書
Police On My Back
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どうやら盗撮が趣味らしい(←誇張表現。訴えられたら僕の負け、です)というジェニコさんから薦めてもらった横山秀夫の『第三の時効』を読みました。



びっっっくりした。
これはかなり面白い。




横山秀夫さんは映画化された『半落ち』を観て、あまりにもがっかりしたので、興味すら持ったことのない作家でした。
ま、映画と原作は別物なので、完全な読まず嫌いだったわけで、日本映画界の微妙さ加減を考えると、横山秀夫さんは被害者だったとも言えるわけで。。。



横山秀夫さん、ものすごくグイグイ読ませる作家です、読んでるとちょっと身体が熱くなるぐらい。
体温上がって暑い、暑い。(←♪誰のせい? それはあれだ! 夏のせい)

『第三の時効』は濃密な短編6本、連作短編集です。
“警察小説”なんですが、僕は“警察小説”とはミステリやアクションを描くものではなく“人間”を描くものだと思うんです。
そういう意味で『第三の時効』は秀逸。

刑事達それぞれの、複雑に絡み合う誇り、思惑、想い。
巧緻なプロットにトリックやどんでん返しが絶妙なスパイスとなり、最後はびしっと鮮やかに登場人物達の想いを着地させる。

いくつかの事件を並行して描き、最後には見事に胸震わせる結末を描き出す『囚人のジレンマ』が特に最高!!!
“仁義”ってやつかも。

描かれる“人間”に現実味があるので、それぞれの刑事に想いを込めやすいです(警察は嫌いだけど)。

僕は断然、朽木班長派です(警察は嫌いだけど)。
朽木班長格好良い(警察は嫌いだけど)。
朽木さん大好き(警察は嫌いだけど)。

“警察小説”といえばアメリカの作家だろって思ってたけど(←ただのアメリカかぶれ。だって“警察小説”に限らずアメリカの小説が好きだから)、そんなことないんですねー、日本の作家さんもスゴイ。

……ってことは読みたい本が増え続けて、読むのが遅い僕はどんどん置き去り。。。



ジェニコさんへ私信
素晴しい作品を教えてくれてありがとう。

では、お返しにジェイムズ・エルロイを。(←しつこい)

って、『第三の時効』で解説書いてる池上冬樹さんがしっかりとエルロイを引き合いに出されてるんですね。そんなこととは知らずに、エルロイ、エルロイって、、、お恥ずかしい。。。



『Police On My Back』 / The Clash
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by clyde_8 | 2006-08-04 18:17 | 読書