カテゴリ:映画/お芝居( 166 )
For Boston
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公開終了してから、もうずいぶん間があいてしまいましたが、映画『ザ・タウン』です。
ベン・アフレックは初監督作の『ゴーン・ベイビー・ゴーン』がものすごく良かったし、そもそも『グッド・ウィル・ハンティング』が書けるぐらいだし(今回の『ザ・タウン』の出来からすると、『グッド〜』もやっぱりベン・アフレック主導で書かれたのかもねと思ってしまう)、演者よりも裏方のほうが向いてるんだろうなぐらいに感じていたから、監督二作目の『ザ・タウン』では脚本に加え、主演もするということで、裏方に徹しろよ!となんとなく一抹の不安があったけれど、そんなものは余計なお世話でした。
ひじょーに良かった。
そもそも、ボストンを舞台にしている時点で、ベン・アフレックだからこそ描ける何かが、かなりたくさんあるんだろうなと思った。

ボストンを舞台にした犯罪映画はここ10年豊作というイメージがあって、代表格は『ディパーテッド』だろうけど、その空気感(たぶんボストンの持つ閉塞感)では『ミスティック・リバー』が別格で、ストーリーもリメイクものでは出せない重厚感と妙な説得力を持って迫ってくる。そしてその『ミスティック・リバー』の原作者デニス・レヘインの作品をベン・アフレックが脚色・監督し、弟のケイシーを主演に据えたのが『ゴーン・ベイビー・ゴーン』で、この作品、ラジー賞受賞歴のある女たらし役者の初監督作品とは思えない傑作に仕上がっていて、僕かなり好きでした(日本ではDVDスルーというのが何とも期待のなさの現れというかなんというか)。

そして、今回の『ザ・タウン』。ボストン在住のミステリ作家のハメット賞受賞作『強盗こそ、われらが宿命』を脚色した作品で、弟よりもいくらかは華のあるお兄ちゃんが主演したからか、『ゴシップガール』のあいつが出てるからか、ジェレミー・レナーがアカデミーノミネートされたからか、とにかく無事劇場公開されたので、わくわくしながら観に行ってきました。
ベン・アフレック監督、二作目もやっぱり良かった。この監督、これからが楽しみです。

新人監督ベンのフィルモグラフィー2作品の面白さ、これって実はベン・アフレックが犯罪ものに強いのではなく(くどいようですが『グッド〜』を書いてるわけだし)、自らの出自や育った町を愛情と憎しみと皮肉と哀しみの視点で描くことに長けた映画作家だから、胸に迫るしそれこそが魅力なんだと思う。大仰に言うと、ベン・アフレックは、ウディ・アレンやエドワード・バーンズのようなタイプの映画作家なんじゃないだろうか、きっとそうだ、なんて。細々したエピソードや設定を取っ払って骨組みだけ見ると、つまるところ構造は同じだという点においても先達と同じ作風を踏襲しているように思えるし。そういう意味では『グッド・ウィル・ハンティング』と『ザ・タウン』はほとんど同じ展開を見せるしね(←超大雑把解釈)。違いといえば引き止め役だったベン・アフレックが今回は町を出て行く人を演じている点。そこに至って、やっぱり彼も、マット・デイモンのように苦悩しつつも鮮やかに町を出て新たな人生を始める人を演じたかったんだね、というのがよくわかる。(←完全に決めつけてるけど、実際のところは知らん)
まあ、とにかく監督ベン・アフレックは要注目です。



ところで、強盗映画ですよー的な予告編のせいなのか、『ザ・タウン』をアクション映画と思ってる人や、実際に観たのにアクション映画としてしか観ることができない人がまれにいるみたいですが、そこまで鈍感な人は、まあそれはそれでいいんじゃないと無視しておいて、町に縛られながらもそこに守られ、そこを憎み、なんとかして逃げ出したいんだけれど、居心地の良さや仲間も捨てられない、そんな複雑な想いと、かなり都合良く展開する良くも悪くもアメリカ映画的な物語を楽しみましょう(何者かになるために故郷を捨ててきた人なら必ず心震えるはず)。
とはいえ、強盗シーンや銃撃シーンも素晴らしいので、結局はクライム・アクション映画なんだけどもね。



『For Boston』 / Dropkick Murphys
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by clyde_8 | 2011-06-09 16:14 | 映画/お芝居
丸の内サディスティック
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“園子温”と聞くと、よみがえる最初の青春の日々(今は7回目ぐらいの青春の日々)。といっても、園子温監督作品のほとんどは、一回しか観たことないし、特別に思い入れがあるわけではないのだけれど。

“園子温”とくれば、『自転車吐息』の“俺”の旗が反射的に思い浮かぶ。その『自転車吐息』の存在は、当時(十代後半)はいつも一緒にいたという印象のジャカルタ移住中の友人から教わり、なんとなくデザインが好きでそのチラシを部屋にずっと貼っていたせいで、“園子温”と聞くと、絵を描くか遊ぶかしかしていなかったその頃のことを思い出す。

そんな青春の“園子温”ですが、最近では感性がオトナになったのか触覚が腐ってしまったのか、楽しいアメリカ映画がイチバン好きになってしまった自分にとっては、園子温作品って、一応観てはいるんだけれどもなんか響かないというか、妙にポエジーな台詞まわしになんとなくめんどくさって思ったりして、かなりの距離感があったんです。けれども、『冷たい熱帯魚』は傑作の匂いがプンプンするし、吹越ラブな友人の映画館でのあまりに良過ぎる反応(残虐シーンを指の間から覗く的な)がとーっても好きなので、激混み覚悟で行ってきました(すみませんね、ずいぶん前の話で)。

その日は平日の昼間だってのに、やっぱり混んでた。
先入観なのかもだけど、園子温観に来る人たちで埋まった劇場は妙なテンションを感じます。

園子温らしい長めの導入に、直接的なシーン以外も全体的にどことなく卑猥というか、艶のある表情を湛えた画面にあっという間に釘付けでした。お待ちかね(待つな!そんなもん)の大好物残虐グロテスクシーンも、思ったよりは少なかったけれどすごく良かったし、終盤やっぱりポエジーな台詞が飛び出すあたりも非常に“らしく”て、観た後はけっこう疲れるぐらいのかなりパワフルな映画で、各所の評判通りの傑作でした。
『悪魔を憐れむ歌』という本にもなっている埼玉愛犬家連続殺人事件を題材に、人間の怖さ、暗部、狂気(と正気)、欲望、それらすべてを濃密に描いた作品ですが、ある程度正常な人には笑えるように(たとえば僕のようにある程度自分の“普通”が自覚できる人ね)、ちゃんとコメディとしての味付けもされていて、かなり笑い声もあがる素敵な劇場空間でした。

今もどこかでかかっているのかは知らんけれど、世界で勝負する日本初の本格的海外征服レーベルSUSHI TYPHOON作品ってこともあるし、映画ファンはぜひとも観に行ったらいいと思うよ。
ついでに、10秒ぐらいのSUSHI TYPHOONプロモムービー(SUSHI TYPHOONのサイトで観れます)も必見。



ところで、マゾ気質を一発で見抜かれる神楽坂恵扮する奥さんの姿を見て、ふと、サディスティックとマゾヒスティックが人間形成の重要な要素のひとつだったとしたらなんて考える。みんながそれを意識して、自分がどちらかを認識し相手がどちらかを理解する世界、なんかコワそうだけれど、そのほうが存外いろんなことがうまくいくのかもなぁ。うん、きっとうまくいくだろうなぁ。



『丸の内サディスティック』 / 椎名林檎
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by clyde_8 | 2011-05-24 00:16 | 映画/お芝居
映画に行こう 2010
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アカデミー賞、『ソーシャル・ネットワーク』はあまり獲れなかったですね。12部門ノミネートの『英国王のスピーチ』も4部門受賞にとどまり、なんとなく賞がばらけている感じが今回のノミネート作品の質の高さの表れのような気がして、封切りが楽しみです。特に『ブラック・スワン』、『ザ・ファイター』、『127時間』、『トゥルー・グリット』の4本が楽しみ。

それではと、こっちはこっちで2010年日本公開作トップ5を。
(プロ並みに大量に観てるわけではないので、ベスト10ではなく5本ぐらいがちょうどいいのです。例えば、 『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』と『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』の二本はまだ観ていなくて、もし観ていたらベスト10には入るだろうけれど、というような“見逃した”映画がたくさんある)

2010年トップ5は、
『ゾンビランド』
『インセプション』
『キック・アス』
『ハート・ロッカー』
『(500)日のサマー』
『白いリボン』
『アウトレイジ』
です。
(あ、7本ある。ま、いっか)

次点は、
『第9地区』
『マイレージ、マイライフ』
(だったら、『ローラーガールズ・ダイアリー』を入れてベスト10にしろよとも思うが、それはそれとして)



『ゾンビランド』は、バカバカしくて最高に楽しかった。タイトルからイメージされるちゃちなホラー映画なんかではまったくなく、わかり易くいうと、異常に楽しい青春ゾンビ映画(←よけいわからん)。ゾンビ映画をほとんど観たことがないらしい新人監督の作品ですが、数多のゾンビ映画研究したうえで、映像テクニックを駆使して、鮮やかな発想の転換でポップな青春コメディに仕立て上げてます。画面がめちゃくちゃカッコいい。タイトルシークエンスのデザインだけでも必見です(ま、ここはデザイン会社が制作してるんですけども)。
脚本書いた人も相当面白い人なんだろうなと感じさせてくれるコネタ連発で爆笑の連続。
ビル・マーレイが本人役で登場するので、80年代を生きた人にはより一層笑えるオーバー30のための一本。

『インセプション』は、真にSFな設定の物語がフィリップ・K・ディックの映画化のような空気感で、もっと踏み込んでハードコアSFの香りすらする硬派なSF映画でした。僕は『インセプション』がアカデミー賞作品賞獲ってもよかったのにと思ってるぐらい大好きな一本。『ダークナイト』に続き濃密な傑作連発で、今ハリウッドではクリストファー・ノーラン最強かも。そしてディカプリオ!昔は特に好きでもなかったけれど、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』あたりからぐんぐんに気になりだして、出る映画出る映画すべてが面白くて(個人的に『シャッター アイランド』は、ん?な演出だったけれど、特にストーリーが。でもディカプリオはやっぱり良かった)、いまや完全にファンです。

『ハート・ロッカー』は我が青春の一本(そしていまだに年に何回かは絶対に観る)『ハートブルー』のキャスリン・ビグロー監督の新作。この人は男前美人なおばさんで、やたらと骨太な映画を撮る人なので、今回の『ハート・ロッカー』は得意中の得意なんじゃないでしょうか。戦争映画だから、テーマとしては反戦とかプロパガンダとかそういう方面で語られることの多い映画で、もちろんそういう側面もあるんだろうけれど、僕のこの映画の印象は全然違っていて、もっとこうなんというか、ハードボイルドもののような人間ドラマって感じ。誤解を恐れずに言うと、あるひとつの世界でしか生きられない男が、その世界にすがりその中でこそ生を感じ自分の存在を噛み締める、その生き様と人間の中毒(みたいなもの)についてのどこかヒロイックなお話。そういう意味では『レスラー』なんかに近い気がするし、これをいろんな味付けでエンターテインすると『ダークナイト』になるんじゃないでしょうか。

『白いリボン』はミヒャエル・ハネケ新作。カンヌでパルム・ドールも獲ったわりにあまり日本ではプロモーションに力が入っていない一本。この作品、これ実は恥を忍んで言うと僕7割も理解できてないんじゃないだろうか。かなりざっくり言うと、ファシズムの形成、忍び寄る、または沸き上がるファシズムの種とその恐怖とはいったいなんなんだろうかということを、とある村で起こる奇妙な事件を通してじっくり丹念に描いていく重い一本。その背景には第一次世界大戦があり、その傷跡があまりない(と認識していた)環境に生まれ、ろくに勉強もしていなかった自分にとっては、俄には理解するのが難しいテーマ。それでも美しいモノクロの画面を通して、重大な問題についての意識を喚起させられるというのは、これも映画のひとつの意味、意義みたいなものだと思うので、必見の一本。観る人が観れば切実な作品。

『アウトレイジ』は北野映画の暴力描写の極北、面目躍如たる一本。北野武はフェリーニみたいな映画撮ってるより、こういう「バカヤロウ」とか「コラ」とか「ブチコロスゾ」なんて言葉が台詞の大半を占めるお話を撮ってるほうが好きです。大好きです。コワいコヒさんと椎名桔平(不敵な笑みで強くてコワい)の壮絶な死に様に震えました。こんな話なら何本でも撮れる、というような意味のことを監督が言っていたので、続編が楽しみ過ぎ。鈴木慶一さんの不穏なサウンドトラックもカッコいいです。

『キック・アス』と『(500)日のサマー』も最高(詳しくは過去記事へ)。



そんな2010年の映画ライフでした。
2011年も面白そうなのがいっぱいあって楽しみです。

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『映画に行こう』 / 井上陽水
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by clyde_8 | 2011-03-03 17:58 | 映画/お芝居
WORK
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職人監督(もちろん良い意味で使ってます)といえば三池崇史、またはジョニー・トーの名前が真っ先に浮かぶあたり、なんともチンピラ映画が好きなのだなとすぐばれる感じが恥ずかしくもありますが、洋画の職人監督といえば、特に80年代に映画人生がスタートした自分のような世代の人たちにとっては、それはまさしくスコットさん家の上のおふたり、リドリー&トニーです。『エイリアン』や『ブレードランナー 』でSFの洗礼とこっそりアートや文学の種を植え付けられ、『トップガン』でアメリカ軍隊への、あくまでもファッション的な意味合いでの憧憬を(不覚にも)感じ、『トゥルー・ロマンス』で大人になったわけです(←なんで?まあ、なんとなく)。

今年はしょっぱなからこの兄弟の新作がそれぞれほぼ同時期に公開中とあって(お兄ちゃんのほうは昨年末からの公開)、わりと立て続けにぽんぽーんと観に、あ、ついでだからってんで三作目以降は見事に職業監督街道まっしぐらのF・ゲイリー・グレイ(デビュー作の『friday』の呑気な感じがけっこう好きでした)の新作もと、ぽんぽんぽーんといってみたわけです。

まずは、『アメリカン・ギャングスター』、『ワールド・オブ・ライズ』と立て続けにめちゃくちゃ面白かった(特に後者、ディカプリオ最高!)御大リドリー・スコットの『ロビン・フッド』。イングランド好きにとっては熱い話で痺れましたが、ラッセル・クロウが大好物ってわけではないので、いまいち移入できず。それにつけても、リドリーさんはラッセルさんがよっぽど好きなんですね(4本連続出演中!)。

次に、『スパイ・ゲーム』は良かったけれど、いまだ『トゥルー・ロマンス』や『クリムゾン・タイド』 を超える作品がない(ような気がする)トニー・スコットの『アンストッパブル』。劇場ガラガラだったけれど、非常に面白かった!自分の精神状態によるところも大きい気がしますが、絶望的な状況に立ち向かうベテラン機関士と新米車掌の男二人の姿に妙に感動しました。デンゼル・ワシントンは流石の存在感で、美味しいところもっていくクリス・パインもそこはかとない悲哀があって良かったし、あと、クルマかっ飛ばして二人をナイスアシストする溶接工のおっさんがカッコいい。ロックンロール。
デンゼル・ワシントン、かつてはスパイク・リー映画の印象が強かったけれど、いまやスコット兄弟に引っ張りだこ。それにつけても、トニーさんはデンゼルさんがよっぽど好きなんですね(3本連続主演中!!)。

最後に、『完全なる報復』なんていう面白くも何ともなさそうな邦題がつけられてしまったF・ゲイリー・グレイ新作。これはここ数年けっこう流行ってるヴィジランテものの中でも、その復讐の計画や手段がいちいち複雑で執念深く、突っ込みどころ満載過ぎて細かいことはどうでもよくなり、妙な緊迫感を楽しめてしまうという不思議な映画。しかもその処刑の手口が下手なホラー映画よりもゴアで、うっかり観に行ってオエっとなった人もけっこういるんじゃないでしょうか。スプラッタ、スラッシャー育ちの自分はそういうの大好物なので楽しかったです。『完全なる報復』に関しては、そのテーマ性に深遠なものを感じ、いろいろ考察している人もちらほらいるようですが、うーん、、、自分はまだその域には達していない。というかね、、、ゴチャゴチャうるせぇんだバカっ!(←と、ここは町山智浩ふうに声に出して読むと楽しいはず。町山智浩さんのポッドキャスト最高!)

職人監督の映画は、まずは楽しみましょうよ。ねえ(といいつつ深読みも好きな自分)。



『WORK』 / Ciara featuring Missy Elliott
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by clyde_8 | 2011-02-13 21:47 | 映画/お芝居
ろくでなし
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池袋って演劇観に行く以外にはあまり用がなくなっちゃったなぁ。。。って、まあ、もとからあんまり行かない街ですが。
個人的に若干切なくも大切な思い出のある東京芸術劇場 へ。“三谷幸喜50歳記念「大感謝祭」”の一本目『ろくでなし啄木』です。ところでこの“三谷幸喜50歳記念「大感謝祭」”ってどれぐらい認知されてるんだろうか???という疑問とともに、加藤ひさしって三谷幸喜より年上なんだ!!ボビー・ギレスピーって三谷幸喜のいっこ下なんだ!!!!というどうでもいいことに驚きを隠せない自分。



今はもういないひとりの男の思い出を語る男女。
過ぎてしまった、でもいつまでも心の片隅に引っかかる一夜の出来事。

時はさかのぼり、とある温泉宿、ふたりの男とひとりの女、奇妙な三角関係。
それぞれの思惑とそれぞれの嘘、誰が誰を騙しているのか、何が真実で、何が嘘か?

そんな一夜の物語、三人がそれぞれの真実を語る。
最後に語るのは、石川啄木。



というようなお話(すみませんね、なんか手抜きというか、わかるようなわからないような雰囲気をふぁっとつかんでるふうの紹介で)。

客入れの場内アナウンスも含めて、笑いはひじょーにオーソドックスで、ベタなネタ連発で、年配の人には大ウケという印象。まあ、僕も笑うには笑うんだけれども、あまり笑う精神状態じゃなかったのか、そういうのを必要としていない身体のリズムだったのか、いろんな笑いよりも何よりも、藤原竜也というか竜也啄木に惹き込まれっぱなしでした。

一幕目で思いがけず涙がこぼれ、まずいなこれと思ってたのに、どんどんどんどん竜也啄木に吸い込まれて気がつけば放心状態。もちろん役者・藤原竜也の素晴らしさがそうさせたというのが実際のところだとは思うんですが、『ろくでなし啄木』で描かれる石川啄木にものすごーく共感したというのもあるような気がします。いや、共感してしまったんです。朝陽を浴びて、あるひとつの結論というか、新しい道を歩き始める啄木の姿は涙なしには見れませんでした。最初から最後まで竜也啄木に取り憑かれてたような、そんな三時間弱。これ、『ろくでなし啄木』って冠されてるぐらいだから、本当に“ろくでなし”な石川啄木が登場するので、それに共感ってどうかと思いますが、まあしょうがない。あそこの気持ち、あの思い、あんな態度、そういった細かいところを挙げていくと、僕自身の恥部を曝すことにもなりかねないので、そのあたりはそっとしておきます。



それにしても、藤原竜也は凄い。舞台を観る度に全身で感動する。(映画の藤原竜也も違う意味でスゴい。全身でずっこける)
今回の『ろくでなし啄木』でも、クライマックスにはまるで『身毒丸』みたく恐ろしい存在感で舞台を完全に支配しちゃいます。凄いねー。役者を目指す若い人は観ないほうがいいかもしれない。勝てないと思い知らされて、その魂にぶん殴られるだろうから。



と、ずいぶん大仰なこと書いてますが、『ろくでなし啄木』、クライム・ミステリーと銘打たれているものの、やっぱり思い切りコメディです。大笑いして観るのがイチバンかと。



『ろくでなし』 / 越路吹雪
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by clyde_8 | 2011-02-09 21:18 | 映画/お芝居
ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
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“I'm CEO, Bitch.”

2時間まるまる興奮しっぱなしでした。
面白過ぎるぞ、『ソーシャル・ネットワーク』。

去年予告観てからふと興味を持ち、仕事でちょっと体験する必要があったこともあり、フェイスブックやってます。ミクシィもツイッターも全くと言っていいほど活用していない自分だから、結局フェイスブックもなんかよくわからないまま日々が過ぎ去っています。でも思いがけなく友人知人から連絡があり、嬉しい再会があったりして、デザインも含めてフェイスブックがいちばん好きかもしれません。しゃらくさいあだ名を付けなくてもすむってところも僕には向いてるようです。匿名性なんていらんのじゃボケ。とはいえ、結局そんなに活用してるわけではないSNS。

でも『ソーシャル・ネットワーク』は面白かった。
いきなり今年ナンバーワンだと言っちゃいたいぐらい。
『グッドフェローズ』を観た時の興奮と非常に似てる気がして、そういえば『ソーシャル・ネットワーク』って、題材は今日的だけど、物語としてはとてもオーソドックスで、ある意味では普遍的な人間ドラマが展開する古典悲劇な映画だなぁ、と。この映画ってIT時代の『スカーフェイス』なんじゃないだろうかって飛躍も余裕でできちゃうぐらいマフィア映画、ギャング映画のそれとお話(の展開)がすごく似ている。青春、野心、成功、欲望、発展、裏切り、大成功、愛憎、酒、ドラッグ、泥沼、孤独、女、ってマフィア映画と同じ要素で物語が構成されていて、そこにないのは暴力とファッションぐらい。というわけで、マフィア映画好きの人には特にオススメ。僕の中では完全にマフィア映画の棚に入ってます、それこそ『スカーフェイス』の隣に。(まあ、それは嘘だけど)

なんと言っても、マーク・ザッカーバーグ役のジェシー・アイゼンバーグが素晴らしい。冒頭から思い切り捻くれた複雑な人間としてマーク・ザッカーバーグを演じていて、はっきり言って感情移入のしづらいかなり変で嫌なヤツ。これぞギーグ、これぞナード、という少年。それでもぐいぐい惹き込まれる不思議な魅力。
去年の私的トップ5に入る『ゾンビランド』の主演もジェシー・アイゼンバーグだったから、要注目の役者さんです。
そして、ラスト。僕はこの映画のラストシーンってめちゃくちゃ素晴らしいと思ったんですが、ラップトップに向かうマーク・ザッカーバーグの切なさ哀しさが静かに爆発するあのシーンで一気に、ああ、こいつもやっぱり自分と同じなんだと、観ている人に感じさせてくれるその鮮やかさ。わかるよ、マーク、うん、わかる。なんて。
完璧なラストシーン。

そして、エンドロールのビートルズ。
『ノルウェイの森』のエンドロールなんて霞んでからからに乾いて飛んでっちゃいました。
って、もちろん『ノルウェイの森』のエンドロールにも涙した自分だけれど、『ソーシャル・ネットワーク』のエンドロールに『ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン』っていうのはこれは良過ぎる。ぴったりだ。ちょうどだ。身体が震えました。



デヴィッド・フィンチャーを師と仰ぐ(←何の?)自分としては、映像も楽しかったし、トレント・レズナーとアッティカス・ロスのオリジナルスコアもとてもイマジネイティブで刺激的な映画音楽だったし、さっさとDVDだかブルーレイだかにして、ディレクターズカット版として3時間半ぐらいの『ソーシャル・ネットワーク』が観たい。(そんなに長いのかどうかは知りません)
これ、半分冗談でデヴィッド・フィンチャーを師と仰ぐなんて言ってますが、実は本当のことで、僕はデザインを考える時、撮影の構図を思い描く時、全体の色調を計画する時、そんな時にお手本というか、出発点というか、手がかりというか、そんなようなものとして、ピーター・サヴィルのアートワーク、カイル・クーパーの映像デザイン、そしてデヴィッド・フィンチャーのビジュアルスタイリングというのを参考にしていることが多いです(だから年賀状なのに暗いデザインになったりするのかも)。もちろん、業界も媒体も違うので完成したものからその影響を感じ取れるのは自分だけですけれども。

とにかく!
お話は本当にベーシックなので、誰が観ても楽しめる王道のハリウッド映画として映画館で堪能してください。アカデミー賞獲っちゃうだろうから、それで混んじゃう前にね。
なんて言ってて『英国王のスピーチ』が獲っちゃったりして(なんかアカデミー会員が好みそうな感じだしね)。

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『Baby, You're A Rich Man』 / THE BEATLES
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by clyde_8 | 2011-01-25 21:57 | 映画/お芝居
Banana Splits
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『(500)日のサマー』を何度でも観たくなる理由、それをひとつずつ挙げていくと5番目ぐらいに思いつくのがクロエ・グレース・モレッツ扮するトムの妹(なんだと思う)の恋愛アドバイスシーン。可愛いからね。

そんなクロエ・グレース・モレッツ主演(ごめんねアーロン君)の『キック・アス』、これは凄い!凄い!凄い!凄い!凄い!強烈に面白かった!
とにかく凄いエネルギーに満ち溢れた映画。
僕の友人の中でもいちばんアホな友人が絶対観ろとコメントしてくれているけれど、その通り、絶対観ろ!

クロエ・グレース・モレッツがキュート過ぎるとか、ミーカとかディッキーズとかモリコーネとか音楽の選曲もカッコ良過ぎるとか、青春モノから復讐譚へと物語が転調する秀逸な脚本が、ギャングアクションからスプラッタへと鮮やかな転調を見せた『フロム・ダスク・ティル・ドーン』みたいでクール過ぎるとか、台詞まわしやアクションの鋭いイメージが独創的過ぎるとか、その他諸々興奮しまくりで、っていうようなことをあれこれ書いてても、書いてる暇があったらもう一回観に行ったほうがいいやと自転車に飛び乗りたくなる映画です。
映画ファンはこんなブログ読んでるぐらいなら、さっさと映画館に行きなさい。
特に映画ファンじゃないという人は、たまに観るならこういう映画がいいよ、だからさっさと映画館に行きなさい。

後輩と一緒に観に行って、ちょっとお兄さんぶりたかった自分は映画の興奮をやや抑えつけたもんだから、観終わってから一週間ぐらいは行き場を失ったパンク版『Banana Splits』が頭の中で鳴り続けていました。

『キック・アス』、最高。



『Banana Splits』 / The Dickies
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by clyde_8 | 2011-01-20 19:00 | 映画/お芝居
Killers
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『ノルウェイの森』を観に行こうかと準備してみたけれど、なんとなくコンディションがあまり良くない気がして(ハルキストとしては非常に慎重になります、映画で春樹作品を観るということには)、ハズれてもダメージの少ない気楽な映画のほうがいいかもしれないぞということで、『Killers』を観てきました。
邦題は『キス&キル』。Oh, gosh !



お話の内容に直接関係あるわけじゃないけれど、ちょっといいですか。
邦題はもう、直訳かそのままでええやん。変な題名は作品のカタチを変えてしまっているということに、もっと大きな問題を感じてほしいんです。配給側もそうだけど、制作側もね。買ってくれるのはありがたいけど、変なタイトルつけちゃダメ!ってちゃんと管理してちょうだい。
題名は、脚本や映像や演技や編集やその他諸々の要素と同じように作品の重要なパーツで、作り手はそこにいろんなイメージや意味や思いを込めて考え、創りだしたはず。それなのになんで言語ごとに題名は変えられちゃうんだろう。しかも、その時々でその国の流行を意識したり、二匹目のドジョウを狙うかのようなクリエイティブのかけらも感じられないバカバカしいやり方で。そんなんダメ。
『ゲルニカ』はどこの美術館で観ても『ゲルニカ』でしょう。
変な邦題は作品世界を壊し、確実に客を減らしていると思うし、作品自体が馬鹿にされる要因にもなっているのだから、無理せず原題直訳か原題そのままで配給しなよ。
というようなことを某映画配給会社勤務の友人に言ったことがあるけれど、いろんな事情がそれを許さないらしいです。。。

というわけで、『Killers』が『キス&キル』に。ラブコメなんだから『キラーズ』は違うだろう、殺し屋たち?そんなんラブもコメも感じられん。ここはいっちょ可愛くロマンティックに『キス&キル』でいこうよ、トムとキャメロンの『ナイト&なんとか』ってのもあったことだしさぁ。なんていう具合に安易につけられたタイトルです。(←完全に想像です、悪しからず)

でもね、『Killers』ってのが物騒で嫌なんだとしても、タイトルロゴやカラーリング、その他いろいろな仕掛けでラブコメだってのは伝えられるんだけどなぁ。ちゃんとやれば。
そのために僕らがいるんだよ。デザインの力をもっと信じてちょうだい。

それに『Killers』良いじゃない。良いイメージきっとあるよ。だってThe Killersってみんな好きだよ、良い曲ばかりだし、カッコいいもん。『Killers』ってアイアン・メイデンのアルバムもスゴいよ、速弾きとか(そんなに速くないか)。そのままズバリの『Killers』っていう殺人者の歌とかあって激しいし。
(結局ラブコメから遠ざかる『Killers』。だからそこは我々がデザインの力でなんとでもしてやるから!)



なんて非常に脱線してしまったので、手短に。
アシュトン・カッチャーファンの婦女子は必見。男性諸氏はアシュトン詣でに嫌々付き合わされたとしても大丈夫。キャサリン・ハイグルがソー・キュートで、もっともっといろんなファッションが見たいなと、にわかファンになるでしょう。
と、『ナイト&デイ』の時と同じように薄っぺらいことばっかり言ってすみませんが、『ナイト&デイ』とは似て非なる作品なので、これはこれでちゃんと真面目にデートムービーとして観に行くと良いと思う。
殺し屋のお話で、当然命狙われまくるんだけど、緊張感のまったくない感じや後半のドタバタした展開が、コーラとポップコーンにとっても合うし、隣の席をこっそり伺いドキドキしたり、同じシーンで笑って目を合わせてドキドキしたりするのにぴったりです。
エンドロールではメイシー・グレイの『Beauty In The World』が流れるので、そこもすごく良い。多幸感たっぷりのというか、賑やかな曲が最後にかかる映画はそれだけで素晴らしく思えるし、なんかウキウキと楽しい。良い曲だなぁと、幸せな余韻。
それでもし、観終わったあとに、一緒に観ていた彼や彼女が「ワタシ的にはつまんなかったな、ありえないでしょあの展開」とか「そうだなぁ、オレは星2.5個ってとこかなぁ。55点だね」なんて言うような人だったとしたら。
その時は、その場で別れてしまいなさい。(←結局物騒)



最後に脱線ついで。
邦題ファック!とか言ってるわりには『さらば青春の光』は邦題込みで(タイトルがもろ内容をバラしてるとこも含め)大大大好きな自分。



『Killers』 / Iron Maiden
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by clyde_8 | 2010-12-14 14:10 | 映画/お芝居
狂ってるって彼は言う
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最近うちのマンションは外壁などの大規模な補修工事中で、建物の周りに足場が組まれ、半透明のネットが張り巡らされています。外壁塗装が始まってからは、ベランダやすべての窓という窓にビニールが貼られ、目貼りもされてしまったので、玄関以外からは出られなくなってしまいました。嫌になるほど不便。うっすら半透明のもので覆われてるうえに、視界がビニールで包まれている状態なので、なんとなく隔離されている気分。そんなわけだから、隔離封じ込めものを観たくなって、『クレイジーズ』へ。(←無理矢理)

ここ数年はホラーのリメイクものに面白いものが多く(エルム街と『シスターズ』はちょっと、、、だったけど。13金と『ハロウィン』シリーズは最高!)、『クレイジーズ』に関しては御大ロメロも制作に名を連ねてるらしいので、これは楽しみとわくわく映画館へ。

やっぱりコワかった。
もうね、設定が恐いもん。フィルモグラフィーの半分ぐらいが感染もの(ゾンビもあれウィルスというか伝染病的なものだしね)と言っても差し支えのないロメロが感性びんびんの若い頃に作ったお話だから本当に終末感がよくできている。今回のリメイク版はスタジオ映画っぽさが良い方向に作用していて、よりオーソドックスなホラー映画のスタイルで、何もいなかったはずの場所にカメラがパンすると画面の端っこに、ほらいるよぉ!という具合の演出や、感染初期の得体の知れなさと暴力的な変貌なんかを見せられて、序盤から中盤にかけてはけっこう恐かった。
中盤からクライマックスにかけては保安官補佐役のジョー・アンダーソンがすっごく良くて、追い詰められた状況に狂いだし暴走寸前になりつつも、もう一度人間性を取り戻し男を見せるってのがヒロイックで実にアメリカ映画っぽいというかなんというか。

あと映像、冒頭とラストで妙に現代的な味わいを加味するあの衛星機からのショットはトニー・スコット印ふうで、映画の雰囲気に合ってない気がしてあんまり好きじゃないけれど、本編の映像、特にロケーションが素晴らしくて、ダークな世界や田舎を舞台にしたアメリカ映画の色合いとか空気感が大好きな自分にとっては本当に美しい画面の連続で、思い切り浸って落ち着きました(ま、要はそこまでコワくなかったってことだな)。



『Crazy He Calls Me』 / Billie Holiday
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by clyde_8 | 2010-12-02 20:15 | 映画/お芝居
微笑みの研究
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下北沢、ザ・スズナリにて『微笑の壁』。
最近スズナリほぼ無視してたなー、人から誘われないと何やってるかまったく知らないんだから、よくないなぁ、きっとこうやって面白い作品を見逃しているんだ、大量に。
とういうわけで、そんな怠惰な自分に救いの手。なんて大げさな感じではなく、mamikoがチケット余らせたらしく、一緒に行ってきました。イラストレーションを主とする作家活動中の彼女、自作のカバンがパンパンでした。大荷物だな。スズナリを舐めとるな。でもああいうの自分にも作ってくれないかなぁ(と露骨に欲しいアピール)。
ま、それはそれとして、『微笑の壁』。

山内ケンジ氏主宰の城山羊の会の第何回公演なんだろう?まあ、何回目かの公演『微笑の壁』。

男と女がいる。ぎごちなくも楽しい恋の季節を経て、二人は結婚を決めた。
男の暮らす部屋で二人の新婚生活が始まる。その門出を祝して集まる男の仕事仲間や男の部下やその元妻。もうひとりの部下は仕事が長引き少し遅れてやってくる予定。
彼らが働くのは、ひと昔前なら生き馬の目を抜くなどと言われた広告業界。そんな形容は時代を感じさせるものの、過酷さはいまも変わらず、そのせいかどうかはわからないけれど、彼らの周りでは、ここのところ自殺者が相次いでいる。
とりあえずの、先に集まった者だけの乾杯の中、ひとりの訪問者。買物袋を抱え入ってくる女、勝手知ったる様子の彼女は男の長年連れ添った妻だった。
困惑する新婦、戸惑う仕事仲間や部下やその元妻、状況が飲み込めない男の妻。
そこへ遅れてやってくるもうひとりの部下。もちろん、結婚を祝して。
大きなクエスチョンマーク。混迷を極めるリビングルーム。
そして、アメリカから最後の訪問者がやってきて、いよいよ荒れ狂うリビングルーム。

そんなお話(思い切り主観なので、観る人によって違うかも)。



めちゃくちゃ笑い、ほのかに嫌な気分を抱え、妙に納得して劇場を後にしました。
良かったなぁ、面白かった。
劇中でさりげなく明かされる悲しい未来が非常に良い味で、観終わってずいぶん経ったいまでも、まだ味してます。とうぶん味するなこれは。
初めて観た城山羊の会、一気に大ファンです。山内ケンジさん、広告業界の方なので登場人物たちの業界感がとってもリアル。彼らの服装や佇まい、言葉遣いや仕草、会話のテンポ、間などなどがことごとく本物で、広告業界に身を置いていた(置いている?かな)自分としては、楽しくて楽しくてしょうがなかったです。
役者さん、みなさん素晴らしくて、特に岡部たかしさんが気になって気になって。あと、終演後スズナリの入口で見かけた石橋けいさんの美しさったらもう。



でもあれですね、思い返すに『微笑の壁』、、、めちゃくちゃなお話のようですが、全然そんなことないぞ、いやこういうことはあり得る話だぞ、不条理でもなんでもないぞなんて感じた自分、このお話をなんか普通に現実感あるなぁなんて感じる自分は、ちょっとあれかもしれません。と、やるせない微笑み。



『Smiling Phases』 / Blood, Sweat & Tears
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by clyde_8 | 2010-11-11 18:39 | 映画/お芝居