2011年 02月 09日 ( 1 )
ろくでなし
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池袋って演劇観に行く以外にはあまり用がなくなっちゃったなぁ。。。って、まあ、もとからあんまり行かない街ですが。
個人的に若干切なくも大切な思い出のある東京芸術劇場 へ。“三谷幸喜50歳記念「大感謝祭」”の一本目『ろくでなし啄木』です。ところでこの“三谷幸喜50歳記念「大感謝祭」”ってどれぐらい認知されてるんだろうか???という疑問とともに、加藤ひさしって三谷幸喜より年上なんだ!!ボビー・ギレスピーって三谷幸喜のいっこ下なんだ!!!!というどうでもいいことに驚きを隠せない自分。



今はもういないひとりの男の思い出を語る男女。
過ぎてしまった、でもいつまでも心の片隅に引っかかる一夜の出来事。

時はさかのぼり、とある温泉宿、ふたりの男とひとりの女、奇妙な三角関係。
それぞれの思惑とそれぞれの嘘、誰が誰を騙しているのか、何が真実で、何が嘘か?

そんな一夜の物語、三人がそれぞれの真実を語る。
最後に語るのは、石川啄木。



というようなお話(すみませんね、なんか手抜きというか、わかるようなわからないような雰囲気をふぁっとつかんでるふうの紹介で)。

客入れの場内アナウンスも含めて、笑いはひじょーにオーソドックスで、ベタなネタ連発で、年配の人には大ウケという印象。まあ、僕も笑うには笑うんだけれども、あまり笑う精神状態じゃなかったのか、そういうのを必要としていない身体のリズムだったのか、いろんな笑いよりも何よりも、藤原竜也というか竜也啄木に惹き込まれっぱなしでした。

一幕目で思いがけず涙がこぼれ、まずいなこれと思ってたのに、どんどんどんどん竜也啄木に吸い込まれて気がつけば放心状態。もちろん役者・藤原竜也の素晴らしさがそうさせたというのが実際のところだとは思うんですが、『ろくでなし啄木』で描かれる石川啄木にものすごーく共感したというのもあるような気がします。いや、共感してしまったんです。朝陽を浴びて、あるひとつの結論というか、新しい道を歩き始める啄木の姿は涙なしには見れませんでした。最初から最後まで竜也啄木に取り憑かれてたような、そんな三時間弱。これ、『ろくでなし啄木』って冠されてるぐらいだから、本当に“ろくでなし”な石川啄木が登場するので、それに共感ってどうかと思いますが、まあしょうがない。あそこの気持ち、あの思い、あんな態度、そういった細かいところを挙げていくと、僕自身の恥部を曝すことにもなりかねないので、そのあたりはそっとしておきます。



それにしても、藤原竜也は凄い。舞台を観る度に全身で感動する。(映画の藤原竜也も違う意味でスゴい。全身でずっこける)
今回の『ろくでなし啄木』でも、クライマックスにはまるで『身毒丸』みたく恐ろしい存在感で舞台を完全に支配しちゃいます。凄いねー。役者を目指す若い人は観ないほうがいいかもしれない。勝てないと思い知らされて、その魂にぶん殴られるだろうから。



と、ずいぶん大仰なこと書いてますが、『ろくでなし啄木』、クライム・ミステリーと銘打たれているものの、やっぱり思い切りコメディです。大笑いして観るのがイチバンかと。



『ろくでなし』 / 越路吹雪
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by clyde_8 | 2011-02-09 21:18 | 映画/お芝居