Part Time Man
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三谷さんの最新作です!

演出もやってます!

しかも書き下ろしです!



東京ヴォードヴィルショーの『エキストラ』。

あれ?なんかついこないだ観たような気がしないでもないぞ、ヴォードヴィルショーってば。

ま、なんでも観ると言いつつ偏っているワタクシのシュミです。



さて、今回は“エキストラ”、通行人Aとか同僚Bとか使用人Mとか、そういうのを演じる臨時雇いの役者さんたちが主人公(“M”に特に意味はありません。見栄です)。



とあるテレビドラマの撮影現場。
カメラの前に立つ喜びのため、過酷な撮影現場でほんのわずかな出番を待つエキストラたち。
スタッフから横柄な態度であしらわれ、主演俳優と監督の都合に振り回され、人間として扱ってもらえないことすらある彼ら。
そんなエキストラにも夢や希望や人生がある。



そう、“舞台裏”もので、“群集劇”とくれば三谷さんの独壇場。
大いに笑わせてもらいましょう。

と思ったら、今回はいつになく笑いが少ない。
“人間ドラマ”の比重がぐっと増した感じ。

佐藤B作演じる元エキストラで現役者、エキストラ界の出世頭こと田所寛太。
彼が直面する厳しい現実。
そして田所寛太言うところの、“その他大勢諸君”エキストラたちそれぞれの矜持を交錯させつつ、チームでものを作るということの難しさと楽しさを描き出す。

人間を見つめる優しい視線が根底にはあるものの、あくまでもシビアな現場というものを“現実”として描いた『エキストラ』は、三谷さんがゴーリキーの『どん底』をイメージして書いたという言葉通り、2時間とちょっとの物語の中でエキストラたちの現実はほとんど何も変わらない。
ささやかな(けれど、とても型破りである意味ブラックジョークな)希望をひとつ叶えただけで、結局諦めや絶望の影は残ったまま。

そんな“どん底”で田所寛太は言う、「エキストラがうまけりゃ映画も生きる。それに気づかないプロデューサーが多すぎるんだよ」と。

この台詞はきっと、プロデューサーだけに向けられた言葉ではなくて、僕も含めた“もの作り”の現場に携わるすべての人に向けられたメッセージなんだろうなと思いました。



三谷さんのことだからたぶん、悲哀たっぷりの『エキストラ』も再演、再々演と公演を重ねていくごとに“笑いどころ”が増えていって、『ラヂオの時間』のような完全な喜劇になるのだと思います。
それはそれで楽しいでしょう。
でもその前にまず、深みのある『エキストラ』をぜひ。

ヴォードヴィルショー、必ず当日券があるそうです。



あ、そうだ。
いつも何気に豪華な客演を迎えているヴォードヴィルショー。
今回も超豪華、伊東四朗、角野卓造、はしのえみ、中本修です。

中でもさすがの伊東さん。
最高の喜劇役者として、存分に笑いをふりまいてくれています。

はしのえみさんは生で見る度に思うんですが、リアルな可愛さ。
この“リアルな”ってのは重要ですね。

とたまにはオトコのコ視点も入れていかないと。



『Part Time Man』 / Manfred Mann's Earth Band
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by clyde_8 | 2006-11-21 12:45 | 映画/お芝居
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