風と光があなたに恵むように
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物語も映像も音も匂いも、そのすべてが繊細で切なくて美しくて、劇場で観れなかったことを本当に本当に後悔した、『三月のライオン』(10年以上前の大阪で奇跡が起こって、テレビで!やってたのを観たんですよ、深夜に)。

5年ぐらい前の『花を摘む少女と虫を殺す少女』の時は、僕にそういう映画を感じれる元気がなくて、観に行くのを諦めて(どっかで上映会やってませんか?)、それで結局いまだに観れなくて、またもや本当に本当に後悔して。

今度こそは絶対行くぞ、と待ちに待った矢崎仁司監督の作品をやっと観に行くことができました。

しかも新作は、嬉しいことに大好きな魚喃キリコさんの『strawberry shortcakes』の映画化、『ストロベリーショートケイクス』。



……素晴しかった。

本当に。



映画館の空調が調子悪いらしくて、音をじっくり感じることはできなかったけど、綺麗な光と美しい人間と切ない愛と小さな希望を感じてきました。



タイトルを『ストロベリーショートケイクス』とカタカナにしたセンスもスゴイと思う。

作家の狗飼恭子さんが担当した脚本もいいんです。
里子を当て書きで池脇千鶴にしたというのがまた最高。

池脇千鶴が素晴しすぎて、中越典子も素晴しすぎて、中村優子の秋代は反則なくらい素晴しすぎて、「菊池」とか「じゃあね」とかの一言であんなにも愛しさとその辛さを表現されちゃうと、涙こらえるのに必死です、こっちは。

それから、塔子役の岩瀬塔子、説得力ありすぎ。
もうね、ものすごく塔子なんですよ。

なんか、“塔子役には新人の岩瀬塔子”とか言って、隠したいのかそうじゃないのかよくわからないし、そもそもファンはみんな知ってることだろうから書いちゃいますけど、岩瀬塔子って魚喃キリコさんの芸名なんです、女優としての。

だからこその説得力と言っちゃえば、それまでなんだけど、絵筆がとてもサマになっていて、憂いを抱えて壊れそうな塔子に息をのんでしまいました。



エンドロールを眺めながら、やっぱり、魚喃キリコ作品はオトコのコである僕にとっても、リアルな世界で(もちろん、ある程度ね)、それが支持されて共感を受けてるってことは、こういう恋愛をしている(もしくはしていた)人がたくさんいるってことなんだって、それはなんだかとても心強いことだなぁって、そんなことを思いました。

痛々しいラヴ上等。



里子、ちひろ、秋代、塔子の4人の“ストロベリーショートケイク”たちは痛々しくてひりひりするし、切なくて恥ずかしくもなるんだけど、彼女たちが一歩踏み出す姿は僕の背中もそっと押してくれるのでした。

とても響く映画だと思います。



ところで、魚喃キリコ作品についての小ネタ。

ずいぶんむかーし、ハギオに似ていると言われたことのある僕(顔ではなくて、です)は、その時点でいろいろと失格だったと思うんですが、どうでしょう?

あ、今は違うぞ。(←しっかり否定)

いや、昔だって違ってたぞ。(←慌てて否定)



『風と光があなたに恵むように』 / 小沢健二
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by clyde_8 | 2006-10-10 16:11 | 映画/お芝居
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