ユカイツーカイ
d0025304_1342813.jpg

ポップコーン·ムービー三連発、三本目(『スーパーマン』『パイレーツ・オブ・カリビアン / デッドマンズ・チェスト』らへんと続けて観たってだけです)。

間違った方向で話題になっちゃってる感のある『グエムル —漢江の怪物—』。

最初に言っときますが、先週あたりから『グエムル —漢江の怪物—』について騒がれてるような類のことは、ここでは書きませんので、あしからず。
そういう話がしたい人はよそへ行ってください。




さて、韓国映画が苦手だった頃を乗り越え、ポン・ジュノの新作だ、しかも怪獣映画だってんで、喜び勇んで初日に行ってきましたよ(よくこんなふうにして、“初日に観た”なんて書く人いますけど、あれには何の意味があるんでしょうね)。



『殺人の追憶』のシリアスの中にも、絶妙なさじ加減でふわっとユーモアを入れてくるスタイルが印象的だった、ポン・ジュノ監督。
新作が怪獣映画だと知った時は、あぁ、スタジオ映画だ、映画会社に撮らされたんだ〜〜、、、と寂しい気持ちになったんですが、どうやらそういう事情ではないらしい。
ただ、そういうのが好きなんだと。

へぇ!?そうなの?
どれどれ、と予告編を注意して観てたところ、何やら面白そう。



実は僕、怪獣映画の嫌いなところは勿体つけるのがへたな感じがするところなんですよね。
いつまでたっても出てこない怪獣や、出てきても暗闇の中とか、クローズアップされた部分だけしか画面に映らないとか。そういうのを効果的にというよりは、ただなんとなく時間を使ってダラダラやってるように感じることが多いから、なんだかなぁと思うのです(いやもちろん、素晴しい作品もたくさんありますよ、『ジョーズ』とかさ。『ジョーズ』!これはいい映画だよねぇぇぇ、人間ドラマとしてもさぁ……って長くなるから止めとこう)。



ところが、です。『グエムル —漢江の怪物—』の予告編から察するに、どうやら勿体つける感がなさそう。
だって、白昼堂々と襲われてるんだもの、群衆が。
芸達者なソン・ガンホが主演ってのも、そそるしねぇ。

という、観たいんだか観たくないんだかよくわからない感じで観てきた不届きものです。

けれど、面白かったです。

ポン・ジュノが撮影中に思い描いていた映画は、シャマランの『サイン』だそうで、なるほどその言葉通り、いろいろな示唆を含んだ構造や表情を持ち、ただの娯楽作ではない味わい深い映画になってました。



わかりやすいところで言うと、アメリカをこけにしたネタの数々。

これがね、なんかこう、中途半端な感じで、反米ネタではあるけれど、ぬるい空気で、でもそのぬるさのせいで、アメリカではなくてもっと広く大きな意味合いで何かを笑ってるように感じることができないでもない。
って、全然わかりやすくないな。。。
そもそも、反米ネタで笑わしときながら、VFXその他をハリウッドに発注して成立させてる映画ってとこが素晴しくサイコパスで、愉快。

結局、あのへんのネタは、仲間内でけなしあって笑いあってるだけなのかもとも思ったりして。。。



スラップスティックに繰り出される家族ネタはホーム・コメディーのような暖かみを感じさせるし、作りこまれたクリーチャー・デザインは(オリジナリティーどうこうはおいといて)なかなかグロテスクでリアルな恐さ。

ちょっとね、だれる時間もあるし、中途半端さがものすごいけど、いろんな味を楽しめる楽しい映画でした。



シャマランの『サイン』と同じで、見方を間違えなければ、なかなかいい映画だと思いますよ。



ところで、『グエムル —漢江の怪物—』の英語タイトル『THE HOST』には生物学的な暗示と、宿主に対する社会政治的言及が込められてるそうです。

……ってわかりにくいけど、『THE HOST』のほうがイイよ、ぜったい。



『ユカイツーカイ怪物くん』 / 野沢雅子
[PR]
by clyde_8 | 2006-09-12 13:10 | 映画/お芝居
<< 日曜日が待ち遠しい! 光 -The Light- >>