劇場暮らし
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今年イチバン観たかったお芝居(ってまだ4月ですが)、でもおシゴトが重なって案の定行けなかったお芝居。あまりに悲しくて後悔しまくったので、神様がもう一度チャンスをくれました。

なんと!

『ライフ・イン・ザ・シアター』のチケットが手に入ったので、世田谷パブリックシアターに行ってきました!!



デヴィッド・マメット脚本(僕はとにかくこの作家さんが好き!)、市村正親さんと藤原竜也くんの2人芝居。
物語は単純で(というか、ストーリーはないとも言えるかも)、1人は老い始めたベテラン俳優、1人は役者になったばかりの若手俳優、2人の俳優の様々なやりとり。
2人の会話は楽屋で、舞台裏で、衣装部屋で、そして舞台の上で交わされる。
それぞれの会話は26のシーンとして描かれ、シーンごとに訪れる暗転、その間にはいくらかの時の流れが存在する。
2人の関係が微妙に変わっていく。
「お疲れさまでした」、「お疲れ」
「お疲れさま」、「お疲れ」
「お疲れ」、「お疲れさま」

2人の役者の人生の向こう側に透けて見えるのは僕自身の人生、今日一緒に観にきた友人の人生、恋人の、仲間の、家族の、同僚の、人生。
悲しくて、切なくて、泣きそうになりながら、でも可笑しくて笑ってしまう。
最高に魅力的なコメディでした。



もうね、藤原くん!藤原竜也!
ものすごい良い役者ですね!
今や大ファンです。
大先輩に対し無条件で敬意を抱く新人俳優から、少しずつ新しいステップへ踏み出し、老いた先輩への目線が変わっていく若手俳優へ、言葉遣いだけじゃなく絶妙なニュアンスを細やかな仕草で表現していて、ぐっと引き込まれました。
あと、これは個人的な印象かもしれないけれど、声が素晴しい!
一言一言が劇場にすうっと響き、心に入り込んできました。
インスピレーションを感じる演技というのはああいう演技のことを言うのかもしれないですね。

そして!市村さん!市村正親!
当たり前のように素晴しい!
前半から中盤、後半に差し掛かるまでが藤原竜也くんの芝居に魅了される時間だとしたら(もちろんそれは市村さんがいるからこそではあるけれど)、後半は一気に市村さんが持っていく。心鷲掴みで。
抑えようのない焦りが、ぶつけどころのない苛立ちが、ペーソスを漂わせ、笑いを誘う(ここでのアシストは藤原くん)。
象徴的に吐き出される台詞、「お疲れ、お疲れさま、お疲れさまでした」、劇場に切なく響き渡る声に全身が震えました。

あぁ、素晴しい。あと30回は観たい。

「…技術というものは、たゆまぬ努力により目に見えぬ形で徐々に身につくが、、実力もやはり、徐々に失われてゆくものだ。終演後あるいは千秋楽を終え、俳優に残るのは自身の体と、新聞の切り抜きとパンフレットのみ」
―――『レストランで書きながら』 / デヴィッド・マメット

まさしく、“人生”ということですね。



そうそう、カーテンコールでは市村さんの全身に拍手を浴びようとする“ベテラン俳優”っぷりと、藤原くんの控えめで、少し照れて、握手も市村さんの手を軽く握っただけの“若手俳優”っぷりが可笑しかったです。。。あ!もしかしたら演出かもしれませんねぇ。。。

そんなふうに考えると、ちょっと楽しいです。



さて、リアルな台詞の応酬が特徴とされているデヴィッド・マメット作品ですが、僕の印象は刺激的で、どこか挑戦的な作品世界という感じ。それは風刺的な作風がそう感じさせるとも言えるし、映画で見せるようなトリックやサスペンスが上手いところがそう思わせるのかもしれないですね。
やっぱり戯曲がいちばん面白いけど(というか舞台は2本しか観たことないんデスけどね。。。)、映像作品もなかなか傑作ぞろいです。

というわけで、デヴィッド・マメット作品、オールタイム・トップ5(順序不同)。

『摩天楼を夢みて』
“ペーソス”というのはこの作品で味わえます。戯曲はピューリッツァー賞受賞作。

『アンタッチャブル』
“エンタテインメント”はこの作品で味わえます。遊気舎の『タッチャブルズ』という買収されまくりの根巣刑事が主人公の楽しいお芝居もありました。関係ない話ですが。。。

『ワグ・ザ・ドッグ〜ウワサの真相〜』
“シニカル”はこの作品で。コワい世界を描いてるんですけどね、笑えるんです。

『スパニッシュ・プリズナー』
“コンゲーム”な作品。“コンゲーム”とは“信用詐欺、ペテンにかける”というような意味。転じて、二転三転するストーリー。

『殺人課』
これは何が味わえると言えばいいんだろう??
“デヴィッド・マメット”かな。

ま、ツタヤが半額の時にでも、ぜひ。



『THE SHOW MUST GO ON』 / Queen
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by clyde_8 | 2006-04-18 23:12 | 映画/お芝居
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