“あの川”ってきれいな水?
d0025304_13423855.jpg

自分にできることはなにもない、という気持ちでいる人たちもいました。そういう人たちは、自分だけそう思っているのはつらいので、他の人にも、顔の前でわざと咳きこんで風邪をうつすように、その気持ちをうつそうとしました。

「世の中なんて、変わるわけはないし、どうにもならないよ。」彼らはいいました。「どうにもならないことは、どうでもいいんだよ。」

そのわりに、彼らにかぎって、彼らが考えてもどうにもならない、プロのスポーツ選手のトレードとか、どこかのチームの監督の采配とかは、まったくどうでもよくないと思っているらしくて、当の選手や監督に負けないくらいの、深く考えぬいた意見を持っているのでした。

その意見を語るときの彼らは、とても前向きな、怖れるものもない態度で、それと「どうにもならないことは、どうでもいい」が、いったいどう折り合っているのかは、とてもわかりにくいのでした。

―――『うさぎ!』 / 小沢健二


やっと読みましたよ、『うさぎ!』

小沢健二のサイトで読めるんですね。

始まったばかりで、物語はまだ転がってないけれど、わかりやすい示唆に富みながらも、とてもニュアンスのあるおもしろいお話です。

はじめ、“灰色”という言葉を見た時には、『はてしない物語』の“虚無”を想像したんだけれど、どうやら違うようですね。
“灰色”って人間的なずるさとかいやらしさとか、そんなようなものを持った悲しい存在のようです、たぶん。
『バットマン リターンズ』のペンギンをもうちょっと悪いやつにしたような感じ。

『うさぎ!』 は童話なのかなって思ってたけど、これも違いますね。
今のところの印象は『最後の物たちの国で』にほんの少し近い感じです。
あくまでも、僕の印象で、しかもほんの少しですよ!!!
『最後の物たちの国で』って相当暗いし、救いがない感じだし。



そうそう、むかし旅行に持っていく本を選ぶ時に(僕はアウェー遠征ですら2〜3冊吟味して持っていく、けど、もちろんそんなに読めるわけない。。。帽子やスカーフなんかと同じ感覚ですね、気分が盛り上がる)、ニューヨークだったらポール・オースター だろう!と、『最後の物たちの国で』を持っていきました(ニューヨーク三部作の印象が強かったもので。。。)。

そしたらまったくニューヨーク関係ない!
しかもどんよりと暗く、希望のない世界だった!
早く別のハッピーな本を開くために、行きの飛行機で読み切ろうと必死になったのを憶えてます(酔っぱらって半分も読めなかったけれど。。。)。



閑話休題、『うさぎ!』 は『オケピ!』とか『新撰組!』みたいな感じがしてなんだかおもしろいな、なんてことを考えつつ、今後の展開を楽しみにしたいと思います。

僕けっこうクィルって好きですね。
ぼさぼさの髪をした15歳の少女ってだけで、まだどんなキャラクターかわからないけれども。。。名前の響きが好きなんです。
きっと可愛いはず!

そうそう、三人はみんな、子どものころ、灰色がいらいらするような、寝転んでずっと星空を見ているような子どもでした。
―――『うさぎ!』 / 小沢健二




『あの川』 / 小沢健二
[PR]
by clyde_8 | 2006-04-12 14:16 | 読書
<< 流星ビバップ Harder, Better,... >>