頼むから静かにしてくれ
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大晦日ってここ数年は映画館で行われるカウントダウンイベントで過ごすことが多いです。
毎年微妙にメンバーが違ってたり、イベントの前後にささやかな夕食と、まるで『あのころ僕らは』のようにうだうだする朝食、その後の仮眠と寒さを堪えながらの天皇杯があったりなかったりするけれど、年越しを映画館で過ごすというのは映画ファンとしてはなかなかに心地良いもので、どうしようか迷ったあげく、結局劇場です。

去年も行ってきました、新宿ミラノ座。

今回のラインナップは2006年2月4日から公開予定の『シャークボーイ&マグマガール 3-D』、2006年陽春公開予定(要するにまだ決まってないんだね公開日が)の『シリアナ』、2006年1月14日公開予定の『スタンドアップ』でした。
この3本の合間に、カウントダウンや振る舞い酒、プレゼント抽選会、2006年上半期の公開予定作品の予告編特集などが行われるんです。司会は襟川クロさん。

そう、このイベントの一番の売りは映画会社やマスコミ試写よりは遅いかもしれないけれど、けっこう早い段階で新作映画が観れること。
ボクもずいぶんオトナになり、映画関係のおシゴトをしている友人知人のおかげで、試写におよばれする機会がたまにあるんですが、試写室よりやっぱり映画館の大スクリーンだね!!
(あ、でも試写にだってよんでほしいんですよ、マイフレンド。ちゃんと口コミ宣伝しますから!)



さて、今回のラインナップの中ではどれがイチオシか?
ずばり、『シリアナ』です。

石油をめぐるCIAとアラブの王族とアメリカ司法省とイスラム過激派テロリストの本当の関係。
「ぜんぶ つながってる」
「シリアナ」とは、CIAが実際に使ってるらしい、イラン、イラク、シリアの三国がひとつの国家になるという事態を想定した際の架空の国のコードネーム。
テロ組織に資金を流しているアラブ某国王位継承者の暗殺を命じられたCIAのベテラン諜報員。
アラブ某国の王族の相談役として石油ビジネスの改革に乗り出す新進気鋭のエネルギー・アナリスト。
大手石油企業と新興の石油会社の合併を画策する野心家の弁護士。
石油会社から突然解雇された出稼ぎ労働者のパキスタン人。

そういう映画です。
難しそうでしょう?
難しいです。かなり。
『トラフィック』製作チームが再集結ということで、空気は『トラフィック』に似ているんですが、『トラフィック』では麻薬が題材だったのに対して、『シリアナ』の題材は石油やテロリズム。
襟川クロさんでさえ1回目はよくわからなかったと言っていました。
当然ボクもよくわからなかったです。
でも退屈しません。
大筋の話の流れは理解できるように作られてるし、映画的雰囲気もばっちりなので、とても濃密な2時間です。
僕が感じた“よくわからない”、というのは“わけがわからない”という類いのわからなさではなく、実感できないという意味でのわからなさです。
石油やテロリズムについて語る時に日本という単語はなかなか出てこないし、実際に僕らは登場人物のひとりではないのが現状だし、この先、主要登場人物のひとりになり得るのだとしたらそれはよくないことである可能性が高いことからも、わからないままのほうがいいのかも、というのが正直な感想です。
要は“恐かった”ということです。

ニュースや新聞、インターネット、それに今日第4号が発売の『クーリエ・ジャポン』のような雑誌(複雑な思いを抱きながらも一応読んでます。『クーリエ・ジャポン』について思うことはまた今度)のおかげで、かなり手軽に多くのニュースや世界情勢、それに対する様々な視点を得ることができるので、『シリアナ』で描かれてることが、ある程度どういうことかはわかるんですけどね、なかなか体感は難しいです。そのぶん『シリアナ』の本当の意味がわからない。

ただ、“わけわかんない”と放ったらかしにはできないですね。いや、できるんだけどね。でも、無関心でいられないというか。でもだからといってどうというわけではないのだけれど、とまあ、頭の中がぐちゃぐちゃと混乱する映画です。

あれ?
『シリアナ』のオススメ記事になってますか?これ。
なってませんね、きっと。

『シリアナ』、骨太。面白い。また観よう。

これくらいにしとけばよかったですかね。

公開時にはぜひ。



『頼むから静かにしてくれ』 / レイモンド・カーヴァー
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by clyde_8 | 2006-01-05 17:41 | 映画/お芝居
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