Fire walk with me!
ダイアン、9月4日、正午。

こないだの日曜日、フットサルの大会に出た時の事。

本当に良い天気で、太陽がギラギラ照りつけて濃い影をつくり、そのコントラストに少し目眩を覚えるぐらい暑い一日でした。
ちょうど正午ぐらい、試合の合間だったので、駐車場脇で地べたに座り込んでメンバーとだらだらしてたら、一台の赤い車が入ってきた。座っているだけでも吹き出す汗、お尻に感じる熱くざらりとしたアスファルト。
ぼんやりと赤い車を眺めてたら、白いワンピースを着た10歳になってないぐらいの少女が助手席から降りてきた。僕の座っている場所からは20メートルぐらい離れていて、陽の光が強烈だったので表情はよくわからないんだけど、なぜだか無表情に見えた。首筋を伝いみぞおちに流れる汗、痒い。
白いワンピースの少女は車のドアを閉めると、突然閉めたばかりのドアを掴み、開いた、ものすごい勢いで。そして、今度は開いた勢いそのままにドアを乱暴に閉じる。ガコン、ガコン。じっとりと暑い空気の中、乾いた音が響く。
少女は無表情のまま、髪を振り乱し、開いたり閉じたりを繰り返す。
ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン、ガコン。

隣にいたミッキーと顔を見合わせる。

僕はこれを見て何を思い出したか?

それは、デヴィッド・リンチ。

特定の作品じゃないんだけど、デヴィッド・リンチの映画ってそういうイメージがある。異形のもの(または異常なもの)が日常風景にくっきりと浮かび上がる感じ。
白昼夢。
この感じわかる人ってけっこういると思う。
奇妙で、性的で、不快で、狂気をはらんでいて、恐ろしいぐらい美しい。
誤解を恐れず言うと、僕は興奮する。デヴィッド・リンチの映画を観ると興奮する。そういうことは変態的だとわかっていても。
でも、デヴィッド・リンチファンっていっぱいいるわけで、そういう意味では変じゃないのかな。感じる程度の差はあれ、誰が観ても基本的に扇情的でしょ?リンチ映画って。
不快なもの、変なものを一切受けつけない人もいるけどね。

そういえばデヴィッド・リンチの娘のジェニファー・リンチが10年以上前に撮った映画に『ボクシング・ヘレナ』というのがあって、これはある女性をあまりにも好きになり過ぎた男がその女性の手足を切断して監禁するという、このバカ父娘!!と怒鳴りつけたくなるような内容なんですが(ちなみに93年ラジー賞監督賞受賞です)、当時高校生だった僕は母親と観に行ってものすごく重い沈黙を経験したことがある。
小学校の頃から放任主義だった母親とは映画を一緒に観に行くことでコミュニケーションをとっていたようなもので(年に何本かだったけど)、何を観に行くかを僕が決めて、一緒に観に行き買い物したり食事したりというのが小学校の頃からのある種儀式的な母子の休日の過ごし方で、たまに行くのだからとこちらもそれなりに気をつかって観る映画は選択していたんだけれど、この時はどうしても『ボクシング・ヘレナ』が観たかった。しかも観終わった後に「けっこうおもろかったな」みたいな事をポロッと言ってしまった。母親の沈黙は、非行とか反抗とかはないけれど、気付かないうちに息子に変態趣味が?と思って凍りついたからだと思う。
「大丈夫、変態趣味な映画はあんなもんじゃない」とかなんとか言ってみたものの、何のフォローにもならず、以後母は僕がビデオを借りてきて自分も観るときだけ“ヘンなやつ”じゃないかどうかを確認するようになった(あくまでも自分が不快な思いをするのが嫌なだけで、息子が観るぶんにはいいやということらしい)。

そんなわけで、映画を人と観るときは映画の選択に多少の気はつかわないとダメですよという教訓(そんなことはたぶんみんな知っている)。

さて、個人的好みで選んでみるデヴィッド・リンチならこの作品だ!

『ブルーベルベット』
超ヘンです。

『イレイザーヘッド』
超ヘンです。

『ワイルド・アット・ハート』
ヘンです。

『ツイン・ピークス(TVシリーズ)』
ヘンです。

『オン・ジ・エアー(TVシリーズ)』
超ヘンです。

『ロスト・ハイウェイ』
超ヘンです。

『マルホランド・ドライブ』
ヘンです。

そうそう、ネオンや電灯、蛍光灯でも電球でも、なんでもいいんだけど電気が切れかかってチカチカしてるのを見た時もデヴィッド・リンチの映画を思い出します。
ジーッ、ジーッ、ジーッ、なんて音がしてたらもう最高!

超妖艶ドロシー。『ブルーベルベット』より。
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『Twin Peaks Theme』 / Angelo Badalamenti
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by clyde_8 | 2005-09-06 17:07 | 映画/お芝居
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