それですべては変わる
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水に関する気の滅入るニュースに嫌気がさして、ふと思いたってPARCO劇場。現在上演中の『国民の映画』へ。“三谷幸喜50歳記念「大感謝祭」”の二本目ですね。
あっちゅうまにチケット売り切れた公演だけれど、ものは試しにと当日券にトライ。抽選の結果4番目の購入権でめちゃくちゃ良い席がとれました。やっぱり動いてみるもんですね。
お話自体はナチスドイツについてのもので、重く重く重く、ある意味ではとても暗いものでした。でも素晴らしかった。詳しい感想はいずれ、それはまた、別の話、ということで。

それよりも今日は開演前の三谷さんの挨拶を紹介。
幕が上がる前の舞台にゆっくりと三谷さんが登場。まだ暗い舞台の上で、拍手がやむのを待ちおもむろに語りだしたその声は少し震えていました。それで僕の涙腺は緩みきってしまいました。

「本日はご来場頂いてありがとうございます。三谷幸喜です。
まず今回の震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りしたいと思います。
たまには僕もまじめな話をします。こういう状況の中で本当にお芝居を続けていいものかどうか真剣に悩みました。いろんな劇場で、いろんな演劇人が同じように悩んだことと思います。公演を全て中止にした劇場もあれば、続行したところもあります。そのどれもが苦悩の末の決断だと思うし、僕はそのすべてが正しかったと思います。
パルコ劇場と僕は公演を続けることにしました。こういう時だからこそ、劇場のあかりを消してはいけないんだと、僕らは思いました。
もし、照明が全部消えたとしても、僕は芝居を続けようと思っています。なぜなら役者がいて、ものがたりがあって、そこにお客さんがいれば芝居はできるんですから。
でも本当にそんなことになったら、たぶんプロデューサーと相談すると思いますが。
今、僕らにできることは何かと考えました。まず節電。公演中のロビーの明かりは落としてあります。ご覧の通り、僕のスポットライトは消しました。ロビーには義援金の募金箱が置いてあります。僕も協力させてもらいました。集まったお金は日本赤十字社を通じて被災地の復興のために寄付させて頂きます。
いろんな不安がまだまだ続きますが、僕たちができることは一日も早く、いつもの日常を取り戻すことです。そうすることでしっかりと被災地や被災者の方達にも向き合えるはずです。」

そして、三谷さんはこう続けた。

「正直言って昨日までは客席も6割ぐらいの入りでした。けれど、今日はこうして多くの方が劇場に足を運んでくれました。スタッフ、役者、そして僕からみなさんへ。心からこう言いたいと思います。

“おかえりなさい”、と。

今日はどうもありがとうございました。あ、まだ終わったわけじゃないですよ、これから始まりますので、最後まで楽しんでください。」



さすが三谷幸喜。泣いてしまった。
僕らもまた、いつか、近いうちに、被災者のみなさんに胸をはって笑顔で言うのだ。
“おかえりなさい”、と。
その日まで一緒に闘うのだ。






『暗闇から手を伸ばせ』 / 小沢健二

夢を見る力なくしていたんだろう? それでも誰か信じたかったんだろう?
大空へ帰そう にぎわう暗闇から涙を拾って Hey Hey Hey Hey Hey Hey


エブリデイ・エブリデイ・エブリデイ
物語のはじまりには ちょうどいい季節になったろう
まるですべてが変わるように
エブリデイ・エブリデイ・エブリデイ
弾む息を詰まらせる 言葉とかモノを超えて
脈をうつビートを信じるように 手を伸ばすよハニー

たとえまだ君が臆病なまんまで
少し戸惑うとしても








『暗闇から手を伸ばせ』 / 小沢健二
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by clyde_8 | 2011-03-23 23:20 | 希望
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