映画に行こう 2010
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アカデミー賞、『ソーシャル・ネットワーク』はあまり獲れなかったですね。12部門ノミネートの『英国王のスピーチ』も4部門受賞にとどまり、なんとなく賞がばらけている感じが今回のノミネート作品の質の高さの表れのような気がして、封切りが楽しみです。特に『ブラック・スワン』、『ザ・ファイター』、『127時間』、『トゥルー・グリット』の4本が楽しみ。

それではと、こっちはこっちで2010年日本公開作トップ5を。
(プロ並みに大量に観てるわけではないので、ベスト10ではなく5本ぐらいがちょうどいいのです。例えば、 『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』と『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』の二本はまだ観ていなくて、もし観ていたらベスト10には入るだろうけれど、というような“見逃した”映画がたくさんある)

2010年トップ5は、
『ゾンビランド』
『インセプション』
『キック・アス』
『ハート・ロッカー』
『(500)日のサマー』
『白いリボン』
『アウトレイジ』
です。
(あ、7本ある。ま、いっか)

次点は、
『第9地区』
『マイレージ、マイライフ』
(だったら、『ローラーガールズ・ダイアリー』を入れてベスト10にしろよとも思うが、それはそれとして)



『ゾンビランド』は、バカバカしくて最高に楽しかった。タイトルからイメージされるちゃちなホラー映画なんかではまったくなく、わかり易くいうと、異常に楽しい青春ゾンビ映画(←よけいわからん)。ゾンビ映画をほとんど観たことがないらしい新人監督の作品ですが、数多のゾンビ映画研究したうえで、映像テクニックを駆使して、鮮やかな発想の転換でポップな青春コメディに仕立て上げてます。画面がめちゃくちゃカッコいい。タイトルシークエンスのデザインだけでも必見です(ま、ここはデザイン会社が制作してるんですけども)。
脚本書いた人も相当面白い人なんだろうなと感じさせてくれるコネタ連発で爆笑の連続。
ビル・マーレイが本人役で登場するので、80年代を生きた人にはより一層笑えるオーバー30のための一本。

『インセプション』は、真にSFな設定の物語がフィリップ・K・ディックの映画化のような空気感で、もっと踏み込んでハードコアSFの香りすらする硬派なSF映画でした。僕は『インセプション』がアカデミー賞作品賞獲ってもよかったのにと思ってるぐらい大好きな一本。『ダークナイト』に続き濃密な傑作連発で、今ハリウッドではクリストファー・ノーラン最強かも。そしてディカプリオ!昔は特に好きでもなかったけれど、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』あたりからぐんぐんに気になりだして、出る映画出る映画すべてが面白くて(個人的に『シャッター アイランド』は、ん?な演出だったけれど、特にストーリーが。でもディカプリオはやっぱり良かった)、いまや完全にファンです。

『ハート・ロッカー』は我が青春の一本(そしていまだに年に何回かは絶対に観る)『ハートブルー』のキャスリン・ビグロー監督の新作。この人は男前美人なおばさんで、やたらと骨太な映画を撮る人なので、今回の『ハート・ロッカー』は得意中の得意なんじゃないでしょうか。戦争映画だから、テーマとしては反戦とかプロパガンダとかそういう方面で語られることの多い映画で、もちろんそういう側面もあるんだろうけれど、僕のこの映画の印象は全然違っていて、もっとこうなんというか、ハードボイルドもののような人間ドラマって感じ。誤解を恐れずに言うと、あるひとつの世界でしか生きられない男が、その世界にすがりその中でこそ生を感じ自分の存在を噛み締める、その生き様と人間の中毒(みたいなもの)についてのどこかヒロイックなお話。そういう意味では『レスラー』なんかに近い気がするし、これをいろんな味付けでエンターテインすると『ダークナイト』になるんじゃないでしょうか。

『白いリボン』はミヒャエル・ハネケ新作。カンヌでパルム・ドールも獲ったわりにあまり日本ではプロモーションに力が入っていない一本。この作品、これ実は恥を忍んで言うと僕7割も理解できてないんじゃないだろうか。かなりざっくり言うと、ファシズムの形成、忍び寄る、または沸き上がるファシズムの種とその恐怖とはいったいなんなんだろうかということを、とある村で起こる奇妙な事件を通してじっくり丹念に描いていく重い一本。その背景には第一次世界大戦があり、その傷跡があまりない(と認識していた)環境に生まれ、ろくに勉強もしていなかった自分にとっては、俄には理解するのが難しいテーマ。それでも美しいモノクロの画面を通して、重大な問題についての意識を喚起させられるというのは、これも映画のひとつの意味、意義みたいなものだと思うので、必見の一本。観る人が観れば切実な作品。

『アウトレイジ』は北野映画の暴力描写の極北、面目躍如たる一本。北野武はフェリーニみたいな映画撮ってるより、こういう「バカヤロウ」とか「コラ」とか「ブチコロスゾ」なんて言葉が台詞の大半を占めるお話を撮ってるほうが好きです。大好きです。コワいコヒさんと椎名桔平(不敵な笑みで強くてコワい)の壮絶な死に様に震えました。こんな話なら何本でも撮れる、というような意味のことを監督が言っていたので、続編が楽しみ過ぎ。鈴木慶一さんの不穏なサウンドトラックもカッコいいです。

『キック・アス』と『(500)日のサマー』も最高(詳しくは過去記事へ)。



そんな2010年の映画ライフでした。
2011年も面白そうなのがいっぱいあって楽しみです。

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『映画に行こう』 / 井上陽水
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by clyde_8 | 2011-03-03 17:58 | 映画/お芝居
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