大きな玉ねぎの下で 〜あの頃の涙を添えて
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4月の終わり、ともさんに誘ってもらって観に行った長谷川穂積11度目の防衛戦はめちゃくちゃショックでした。でも、ロープに腕が絡まってレフェリーストップがかかるまで立ち続けた姿を見て、倒れるわけにはいかないという長谷川穂積の誇りみたいなものを感じて心震えた一日でした。この日は前座試合から闘う人たちの姿にすでに泣きそうになっていた甘ちゃんな自分。大きな玉ねぎの下で過ごした一日。



UAの『KABA』に引き続きでカバーカバーしつこいですが、山崎まさよしの『COVER ALL HO!』も好きなカバーアルバムです。同時リリースの洋楽カバー集『COVER ALL YO!』と合わせてさすがの歌唱力とバラエティに富んだアレンジで、素晴らしいポップスが楽しめる好盤。楽しい演出でまとめられたジャケットやスリーブのデザインも好きな作品。

もともとは『さらば恋人』(めっちゃ好き!)が聴きたくて手に取ったこのアルバム、どれもこれも良い曲だなぁ懐かしいなぁなんて、鼻歌まじりに聴いていたら、不覚にも『大きな玉ねぎの下で』で 全身の鳥肌が治まらない5分弱。

爆風スランプも山崎まさよしも特に熱心なファンというわけではないですが、どちらかというと日本のポップスをテープに録音して聴きあさっていた中学時代を考えると、爆風スランプのほうが馴染みのあるアーティストだし、『大きな玉ねぎの下で』もよく聴いた一曲。それでも、山崎まさよしのカバーを聴くと懐かしいなぁなんてふうにはあまり感じずに、おぉ、なんていい曲だ、美しい、と妙に新鮮な気持ちでリピート。山崎まさよしの若干土臭い(あくまでも私見。ファンの人ゴメンなさい。良い意味で、ですから)歌声がとっても優しくて歌詞の世界がすうっと耳に入ってくる。なんて切ない恋なんだ。携帯電話やメールが中途半端に人の距離を近くしてしまった今では考えられない、不器用で手探りの恋が切な過ぎ。

爆風スランプの『大きな玉ねぎの下で』を初めて聴いた時の、大阪でこぢんまり生きていたやっとティーンになったぐらいの自分は、九段下も千鳥ケ淵もなんのことかさっぱりわからず、さらっと聴いてるもんだから歌詞も断片的にしか入ってこず、読解力の無さと相まってファンタジーの歌なのかなと完全に誤解。ほどなくして当時の音楽雑誌かなんか(たぶんPati Patiみたいなやつ)で玉ねぎっつうのは武道館の屋根にあるあれ(擬宝珠)なんだぞと知り、それでも、あぁ武道館ってなんかそういう大きい会場があんねやろ、3daysとかやるやつな、ぐらいの知識しかなかったもんだから、結局いまいちピンとこず、しばらくしてなんか良い曲かも、ぐらいの印象。
それがいまや九段下も千鳥ケ淵も知ってるからね(あの辺りは本当に美しい)。水面の月の美しさもばっちり知ってるし。武道館だって、そんなに好きな会場じゃないけれど、3daysだけじゃなく、もちろん2daysも、なんだったら5daysもやっちゃうことを知ってるからね。そういうこともあってか、情景がはっきりと浮かび、思いきり浸れる。
どんなことでも、“知る”というのは素晴らしいことですね。

ま、そんなわけで、千鳥ケ淵を歩いた後に聴く山崎まさよしの『大きな玉ねぎの下で』は格別です。



『大きな玉ねぎの下で 〜あの頃の涙を添えて』 / 山崎まさよし
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by clyde_8 | 2010-07-15 16:53 | 音楽
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