最前線ララバイ
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ずいぶんヒットしているようですね、『アバター』。

僕は2009年最後に劇場で観た映画が『アバター』でした。満を持してって感じで。といいつつも、まあ別にジェームズ・キャメロンの大ファンというわけでもないし、熱心なSFファンタジーマニアというわけでもないので、もの凄く心待ちにしていたわけでは全然なくて、どちらかというと予告編で目にしたナヴィのCG具合がなんかゲームっぽいというか、なんかゲーム以下っぽいというか(最近のゲームって凄いんですよ。私隠れゲーマーですから)、入り込めるかな?あの世界に、という不安が大きかったので、いつか観に行こうかなぐらいの気持ちだったんです。でも満を持した自分。それはなんでかっていうと、そうはいっても劇場映画最前線、3D上映、これから主流になる(らしい)3Dは『キャプテンEO』(古ッ!)からどれぐらい進化してるんだろうってのが、動機の80%。

そんなわけで、若干お高いチケットで観に行ったんですが、ものの数分かな、結構早い段階で激しく迫りくる帰りたいこの気持ち。連れもいるので、さすがに席を立つことはなかったけれど、わりとイライラ。
劇場によっても上映方式などで差があるらしいけれども、とにかくね、3Dメガネかけると色が汚い!汚いというのは乱暴過ぎるとしても、色味が全体的に暗い!!それって致命的。『アバター』のような、美しい自然にあふれる惑星パンドラを舞台に、自然界との関わりや生きている者同士の関わりや、精霊や神のような何かを超越した力との関わりをテーマにした映画、それを視覚的にも伝えるためにフルCG並みに色彩設計した映画にとって、色が汚い、暗いから鮮やかさが薄れるって、、、アカンやん!アカンやん!絶対アカンやん!もう泣きそうになるわ。次々に登場する動物や植物、登場人物たちが新たに訪れる場所、そんなものが画面に出てくる度に3D眼鏡をずらして肉眼でスクリーンを観る。ほら綺麗やん!!綺麗やん!そんなこと繰り返してたもんだから最初のうちはいまいち集中できず。

見終わってなお思うんですが、蚊のお化けみたいなのとか森に咲くヒトデみたいなのとかがブワァぁって立体的にこちらに迫ってきたからといって、映画そのもの、特にその物語やテーマ的なものが僕ら観客に迫りかつ深まるかっていうと、そんなわけない。そんなわけなっかたんです、残念ながら。これまで慣れ親しんだ薄っぺらいスクリーンでじゅうぶん過ぎるほど感動するし興奮するしびくびくするし涙するぞ、なめんなよ俺らのイマジネーション。そんな気分。
あと、耳の上が痛いし。痛いってのはこれまた決定的に集中力を欠く。普段眼鏡をかけなれている僕でも気になる痛みだったから、眼鏡じゃない人やサングラスかけない人なんかは辛いだろう、あれ。

と、当ブログには珍しく否定的なこと言ってますが、それでもやっぱり『アバター』には引き込まれて感動したのです。どないやねん。いやなんか普通のお話で、普通じゃないか普遍的なお話でそこにはしっかりワクワクやジーンというような楽しみもあるし、教訓や矛盾もあって、耳痛くてそわそわしてる集中を欠いた僕のようなうつけものにもちゃんと伝わるぐらい力強くわかりやすい映画でした。そういう意味では映画の本来の姿をしているともいえるなぁと。さすがはキャメロンさんとこのジェームズさん。というわけで、これは映画館で観ないとダメな映画の筆頭なんじゃないだろーか。3D上映はお勧めしませんが。

あ、あと、若干暴力的な映画だとも思うので、それはバイオレンスとかエクスプロージョンという意味だけではなく、こう客席にぐるぐる縛り付けてまぶた閉じないように固定されて(時計仕掛けのオレンジみたくね)怒濤の映像をこれでもかと見せられるという、そこには行間というものがない、もしくは行間を感じる余裕がないという意味での暴力的。あれ、ちょっと大げさか?ま、そういう映画なので、ニガテな人はしんどいかも。

それでも、映画館でどうぞ。(←どないやねへん)



『最前線ララバイ』 / Soul Flower Union
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by clyde_8 | 2010-01-10 09:49 | 映画/お芝居
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